あるウオーカーの越前横断記(その4)

自然の移ろい、歴史の重みを感じながら…

~ あるウオーカーの越前横断記 ~    ( その4 完 )

1昨年の「若越縦断300キロウオーク」を完歩して、すごい感動と思い出が出来ました。これが<越前を横断してみよう>との思いに結び付きました。そして、この気持ちを即刻、結実しようと昨年春、農作業やいろんな行事の合間をぬって一人で歩き始めました。

またまた、歩きながら福井の自然のすばらしさ、歴史の重さがひしひしと体にしみついてきました。思い切って歩いてよかった! これが実感です。以下は梅浦~油坂峠、延べ6日間、115キロの<ウオーキングダイアリー>です。

( 鯖江市・加藤  忠 )

春4月、越前海岸をスタートしたこの横断記も最終回。今は11月、秋色濃い、初冬の県境・油坂峠へと歩を進めた。

11月8日(火) 今日は立冬。JRだと九頭竜湖駅からのスタートが遅れるので、今回は自宅を車で6時半に出て8時20分に駅に着き、駅前に駐車して8時50分、R158号を歩き始める。旧和泉村役場や朝日小前を過ぎると石徹白川の朝日橋。ここから上り坂。右側に鷲ダムを見ながら上りは続く。対岸には1000M余の鷲鞍岳がそびえる。

朝日地区に入り長野変電所が見える。同発電所は地下だ。道は左にいったん湖から逸れて再び右に曲がると、いよいよ九頭竜ダム湖が眼前に。長野ダムトンネルは工事のため湖岸のう回路を行く。回り道のおかげで変電所を右下に見下ろしながら、景色は素晴らしい。しばらく行くと影路トンネル。ここでアクシデント。トンネル内は暗く何かにつまずいて転倒する。懐中電灯を持つべきだった。

発電所

トンネルを抜けると晴天。湖岸を右下に見て快適に歩く。両岸や遠くの山々は紅葉真っ盛り。穴馬神社前を通りやや長い野尻トンネルを抜けると、あとは湖岸沿いにトンネルや橋の連続だ。向橋、三蔵橋、大谷橋、一の又橋、悪原谷橋と続く。箱ケ瀬隧道を出るとドライブイン白馬洞。ここの標高は568M。右前方に夢の懸け橋が見える。今日はここまで。15K。実はカミさんがJRで湖駅にきて、駐車してきた車を回してくれる段取り。車中で昼食を取り折り返し帰路に着く。

湖岸にて

湖岸

11月27日(日)最終日。今日はカミさんも同乗して7時に自宅を出る。ドライブイン白馬洞に9時到着し9時10分スタート。すぐに下半原隧道。だんだんと湖の東端に近づく。紅葉もきれいだ。ドライブイン九頭竜を経てやや長い林谷橋を渡り、「蝶の湖」と刻まれた石碑前を通り田茂谷橋を渡る。このあたり、湖に入り込んでいるいくつかの谷がある。オートキャンプ場過ぎると三叉路に。

右は中部縦貫道のトンネル入り口で、自分は当然、左の旧道油峠への上り坂を行く。落葉のブナ林や谷川の景色にウオーキングの楽しさと、ここまで来た充実感がフツフツと湧いてくる。三叉路から峠まで15分、1・4K。いよいよ油坂峠のトンネルに到着。歩行距離8K。標高は800M。トンネルを出た所で、湖駅近くで待機していたカミさんの車も到着し2人でおにぎりをほほばる。白鳥の街並みが眼下に広がる。

ついに115Kの越前横断行をやり遂げた。これにはカミさんの協力が大きい。感謝。

バンザイ ゴール