ふくい旧街道ウオーク-6(6/28)回大会のご報告 (福井ライフ・アカデミー連携事業)
北陸道-6 北陸道最終区間 (短縮コース 15kmを設けました)
日時:6月2日(日) スタート 8時20分
集合場所:JR今庄駅
ゴール:15km 栃ノ木峠 12時30分
27km 椿坂集落 16時30分
いずれも栃ノ木峠にて昼食、15kmは昼食後バスにて今庄駅へ、27kmは椿坂よりバスで今庄駅へ。
参加人数:83名
天候:曇り、時々涼風、爽風
コース:今庄駅~文政の道しるべ~白鬚神社・合波丸岡藩支配地柱~旧八幡神社・大門丸岡藩領標柱~孫谷(トイレ)~下板取宿跡~板取一里塚跡・上板取宿跡(トイレ)~栃ノ木峠(昼食)~中河内本陣跡(トイレ)~椿坂峠~椿坂集落(トイレ)・椿坂一里塚跡
コース概要:FWA会員 竹原 利栄さんからの投稿原稿を記載いたします。
今庄駅に集まったのは83名。今や県下無双の健脚集団だ。企画の内容がいい。今日踏破する街道の名所だけでなしに、明治初年版の地図まで用意してある。しかも、随所で立ち止まって地元の人が丁寧な説明をいれてくれる。今庄駅で、意気軒昂、溌剌たる説明をされた人が、板取宿にもこられて「私はここの生まれです」というので、臨場感がいやます。主に山の中をあるくので、名所旧跡が多いわけではないが、それでも地図の裏面には9項目にわたって説明があり、リーダーが解説してくれるので、ついその傍について歩きたくなる。
板取宿が、たいそう重要な宿場あることは承知していたが、丁寧な説明を聞くと、今もその面影が髣髴とされる思いだ。多くの人馬が、ここを越えて行ったにちがいない。
かなり速いペース。時速5キロを上回っているだろうが、脱落者が出ない。爽やかな風の中をタニウツギ、ウノハナ、エゴの花、ヤマボウシが目に優しくうつる。ウグイスに交じってホトトギスもしのび声を寄せてくる。板取宿のあたりでは、川底から甘いカジカの声が聞こえ始め、次第に大きくなった。江戸時代の旅人たちも、こんな風情に包まれながら、旅を楽しんだのだろうか。
栃の木峠(539m)にかかると勾配がきつくなり、少しペースが落ちるが、どなたも颯爽たる歩きぶりだ。峠の頂上で15km。昼食になる。きれいなゲレンデはあるが、雪が少ないから営業していないのではなかろうか。
ギョッとする碑を見つけた。なんと「淀川源」とある。考えてみれば確かにそのとおりだろう。ここを分水嶺として琵琶湖にそそぎ、そのまま大阪湾にまで達するわけだ。なんだか壮大な近畿地方の地図の一隅に、自分がいる思いがする。
ここで12名の方は大事をとってバスで帰路につく。
長い下り坂がつづく。もうひとつギョッとするものに出遭った。「中河内本陣跡」を過ぎたあたりに、鮮烈な湧水がある。「己知の冷水」とあるではないか。「おのれを知れ」ということだ。怖い水だね。あのソクラテスが、ここの真似をしたのではあるまいか。
予定より早く3時ごろには、椿坂集会場に着く。クールダウン。ここから今庄まではバス。
だれかがきつい冗談。「この道を全部歩いて戻ったらバス代はタダ、といわれたら?」まさか?と思って見回すと「やってもいいぞ」という何人か。
以前から行きたいと思いながら、道筋がしっかりとは分からなくて果たせなかった北陸道を全部踏破できて、強い達成感に包まれている。 ー以上ー竹原利栄